対症療法は意味がないと、降圧剤や薬による症状緩和を嫌う人々がいる
ツイッターでの医療関係者や代替医療関係者との会話をまとめます。
私のツイートは貼り付け、私以外の発言は引用にします。
接骨院のスタッフだった時、「薬は対症療法でしかない」というディスりをスタッフからもお客からもよく聞いた。つまり代替医療を好きな人が好む考え方なんですが、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
高熱や激痛を抑えることよりも「根本」に拘るというのは妙な考え方だ。
既に起きてしまっている症状を先ず抑えないと、先へ進めない。
返信 (一般 Eさん)
最近歯医者にかかりましたが、初診で、根本よりもまず症状を抑えてくれたので助かりました。
「そういう考え」というのは、
- 「対症療法」は症状を抑えるだけだから、病気を「根本」から治せるわけではない。
- 病気も損傷も、「根本」を改善しなければ「意味がない」。
- 「熱はカラダの修復反応」、「痛みはサイン」だから、正常なカラダの反応を抑え込むことは、「逆効果」なんだ。
- 「痛み止め」でも「降圧剤」でも、薬を飲むと、飲み続けないといけなくなるので、「飲まない方が良い」。
- フェイスブックのお友達に教えてもらって、「断薬」したいと思う。
- 医者と製薬会社の「陰謀」らしい。
思いつく限りで、私が見聞きしたことがあるもので、例えば上の様な思い込みが強い方がいます。
すべてが間違いというわけではなく、一部はたしかにそうかもしれないものもあるのですが…やはり、バランスを欠く考え方だと思います。何事も、「使うか、使わないか」という極端なことではなくて、タイミングやバランスを大事に適切に使うことが良いと私は思います。
引用リツイート (医療関係者 Kさん)
内科の外来でも収縮期血圧180でも「高血圧の薬は飲みたくない」という方が同じような事をおっしゃる事があります。
明日までに10kgも痩せたり、酒タバコを今日からピタっと止めたり、次の食事からしっかり減塩出来るわけでもないから、楽するためにも使いましょうと説明しますが。接骨院のスタッフだった時、「薬は対症療法でしかない」というディスりをスタッフからもお客からもよく聞いた。つまり代替医療を好きな人が好む考え方なんですが、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
高熱や激痛を抑えることよりも「根本」に拘るというのは妙な考え方だ。
既に起きてしまっている症状を先ず抑えないと、先へ進めない。返信 私
あると思いますし、医師に言う人はまだ良い方だと思います。
内科を軽率に請け負わない手技療法のところに来て「降圧剤は飲みたくない話」に同調を求める人というのは、割と遭遇します。「気持ち」には理解を示しつつも、「お医者さんとの相談なしには危険です…汗」とお伝えしますが。返信 (同 Kさん)
ああ、やっぱりいらっしゃるんですね…
お疲れ様です(対応がすごく大変そうです)
痛み止めについては「痛いの我慢しても良いことないですよ」ですけどね。
飲みすぎの人、湿布貼りすぎの人には制限かけますが。返信 私
同意です。
極端に薬を避ける人というのは、
極端に薬に依存する人と実は近いような気もします。
「適度に利用する」つまりバランス感覚が苦手な方々という印象を持ちます。
もうずっと痛い痛いと言っているのに、「痛み止めを飲んだってねぇ笑」と言う人々は、代替医療ではよく遭遇しますね。返信 (同 Kさん)
たしかに、減薬に抵抗する人に似てるかもしれません…
医療不信が何からきているのかについては、医療関係者自身も考えなければいけないこともあります。例えば、「言っても症状が伝わらない、とりあってくれない」とか「処方された薬で治らない」とか「薬の数が多いのでは…」とか「説明不足」とか。
だけど、だからと言って「金儲けで陰謀で、薬を飲まされたら殺されてしまう!」と言うのは、ちゃんと考えれば極端だと分かるし、デマでしょう。
「科学的根拠」と医療者が言う言葉の意味は、「なんだか怪しい…自然の摂理に反したモノ」ではなくて、効果とリスクをシビアに天秤にかけ思惑や思い込みを徹底的に取り除いた結果「一般に使用して良いだけの信用度がある」ということです。
こういう話題になると必ず、「そうなのかもしれないが、医者は、薬は怖いと思ってしまう患者の気持ちに寄り添ってない」という意見があると思いますが、私はそうは思いません。
医師も医療関係者も、「素人にとっては、どうして効くのか解らないモノを身体に入れるのが怖い…」という気持ちは、なんとなくわかっていると思いますが、それでも感情より科学的根拠を重んじた方が患者のためになる…というのが医療者としての誠実さだと考えていると私は思います。
「薬は飲むな!」と脅す様な「自称・異端児」な医師であるほど、本が売れていたり、テレビに出演したりしている様にも思えますが、大多数の科学的根拠を重んじるお医者さんの方が誠実かもしれません。
「根本の改善」が意味を持つのは、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
「予防」もしくは「回復期」だと思います。
今まさに症状が強くて苦しんでいる時には、そこから解放して二次的な悪化や悪循環を防ぐことを優先します。
代替医療を好むタイプの人ほど、「解熱、鎮痛薬には頼りたくない」と言いがちですが、ちょっと危険かも。
「治せないモノまで治すと宣伝する代替医療」のパターンの一つに、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
「予防としてなら悪くはない健康法を、既に発病している人の治療として扱う」というパターンがあります。
食事、運動、温める、それらが健康な人の普段や予防に良いものだとしても、起こった後の病気の「治療」になるとは限らない。
「その心理」を利用してくる代替医療に注意
でも私は、一般の方が誤解するのは仕方がないとも思います。自分が病気や痛みを持てば、不安になり、誰の言っている事が正しいのか分からなくなり、知識がなければ「化学薬品?」とか「副作用?」に漠然とした「恐れ」を感じるのは仕方がありません。
ただ、当ブログの過去記事でも書いてきた通り、
その様な「薬を過剰に避ける」「医者への不信を煽る」ということを、「先生」と呼ばせて施術しているような代替医療やセラピストが発言したり勧めたりするのは、危険な事です。
異端の医師の「説」を自分の商売に都合よく取り入れて、必要な時にも病院へ行かなかったり、薬を拒否するお客を作ってはいけないと思う。出来ることは少なくても、間違った知識をお客に与えてはいけない。
引用リツイート (鍼灸師 Gさん)
本当にこれが多い。
批判するのは勝手だけど、
自分は薬より効く施術出来んのかっていつも思う。
まずはどんな手段でも症状抑えることが先決だろうに接骨院のスタッフだった時、「薬は対症療法でしかない」というディスりをスタッフからもお客からもよく聞いた。つまり代替医療を好きな人が好む考え方なんですが、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
高熱や激痛を抑えることよりも「根本」に拘るというのは妙な考え方だ。
既に起きてしまっている症状を先ず抑えないと、先へ進めない。返信 私
多いですよね。
「薬に頼り過ぎたくない」という個人の考えを全否定はできないのですが、
施術者がアドバイスとして「時には上手に使用して良い」と言えないと、お客と施術者の間で『反医療濃度』が濃くなり過ぎて危険に…というパターン。
代替医療施術者はバランサーでいなければいけないのにね…返信 (同 Gさん)
そうなんです。
副作用や依存性などを考えれば飲まないに越したことはないのでしょうが、
「頭が痛くて動けないときは服用する。でも飲まなくてすむ体質づくりも大事」とお客様のQOLを最優先にしたバランス感覚が必要ですよね。
毛嫌いしすぎるのは宗教的で好きじゃないです(笑)
この方は、私に共感してくださる方なので意見が合いますが、
国家資格の有無にかかわらず、接骨院、鍼灸院、整体、カイロプラクティック、その他色々のセラピスト・ヒーラーには、「薬に頼ってはいけない」「抗がん剤に殺される」「食品添加物を避けろ」と言う人が多い…。そして「自然治癒力さえあれば大丈夫」という考えが極端で、だいたい「スピリチュアル」傾向。
私以外にも同じように感じている人が少なくなさそうなので、本当にそういう思想の人が多いような気もするし、多くはないけど「そういう人」が目立つのかもしれないですけど…
上にリンクを貼った記事は、このブログで私が最初に書いた記事です。
2年以上も前の記事ですが、今日になってコメントが増えていました。
コメント (通りすがり さん)
基本的に仰る通りですね。医者も人間なので利益がないといけませんから、薬のだし過ぎや意味のない検査などをやる問題もあるでしょう。しかし、医者でもないものがそれにとやかく言う資格はないでしょうね。批判をするならそれが無益だと言うデーターを出さないと無責任だと思うんですよね。
逆に整体の世界は整体が言う様な効果は科学的にみてほとんどが効果なしと言う結論に至っています。
整体業界が医療を批判していると、かえって整体業界が叩かれてしまうと思います。
私は共存共栄で必要なものは必ず医者に診てもらい、医者が面倒くさがる様なマッサージやリハビリはこちらがやると言う様なスタンスがお互いが気持ちよく関われるのではないかと思います。
しかし、整体業界の節操のない宣伝には辟易します。
効果が無いことが分かりきっているので、言ったもの勝ちと割り切っているとさえ思えます。
目先の儲けさえ出れば良いなんて考えていてはこの先の整体業界は真っ暗でしょう。
私もそう思います。
ちなみに、同じ記事に177日前に付いたコメントが以下です。
コメント (かなりや さん)
抗がん剤で人が殺されてるのは常識中の常識。あんた何も分かってないね。
少し勉強したら?
柔道整復師ごときに医療の現場が分かるの?
現実に目を向けて下さい。
それは私の仕事じゃない
私のツイッターでの発言や、ブログの記事や、お店のお客様の一部に、誤解があるなと思うのは、私は自分が「医療不信」の解決策を提示するだとか、「スピリチュアル系自然派」の洗脳を解くだとか、そういう意気込みはありません。
私の知っていることには限りがあり、私にできることは少なく、私はシンプルな仕事がしたい。だから自分のお客には正直に言うし、期待が過剰なお客様には困るので、なんでも治せるように言う宣伝はしない。
そういうことです。
笑う人と
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月17日
怒る人、
どっちが多そうか。 pic.twitter.com/JS5HDjU3N6
返信 (Bさん)
笑ったしあんしんできる。近場なら是非お願いしたい。
返信 (aさん)
ここまでズバッと書いたら「魔よけ」になりそうですね。
「ちょっと体調が悪いのでエスケープして休みにいきたい」時に、駆け込んだり、逃げ込んだり、遊びに来たりできる安心できる場所…「街の保健室」としての国家資格者によるリラクゼーション。https://t.co/zSavjO8LGo
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
そういう場所になるためには、「いかにも治療をしますよ」「病名を付けられますよ」という雰囲気ではなくて、楽しみにして、「いいこと」をしに、気楽に来られるところでいたい。
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2017年6月16日
『たたずまい』は重要だと思うんです。代替医療が「治療院」と思わせてはいけない、その方がお客が来ても。 https://t.co/vh9VqaFnMT
単なるリラクゼーションでも医学やリテラシーを身に付けておきたい理由
トゥギャッターの使い方を知らないので、自分のツイートのまとめをここにしておきます。ちょっと手抜き感あるけど…だってブログのために文章を書くのは忙しいとしんどいけど、情熱と勢いでツイートしたものを読み返したり並べる方がラクなんですもん…
サウイフモノニ ワタシハナリタイ
『各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと』読んでます。
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
子育てに拘わらず、代替医療者も読んだら良いと思います。
「…って聞いたんですけど、どう思いますか?」という質問は、代替医療の場で頻出するからです。#代替医療 pic.twitter.com/5Dsz2Em8m7
「ワクチンは毒なのでは…」の様な質問は、患者にとっては医師には質問し辛い。普通の医者は否定するのが分かっているから。
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
それで接骨院や鍼灸院や整体カイロの「先生」に聞いてみる。否定しなかった「先生」を信じるから、医療から離れていく。
代替医療者にこそリテラシーが必要なのに…。
私がずっと考えているのは、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
代替医療は間違っていても正しくても「医者に取り合ってもらえない意見」のぶつけ先として求められているという事。
患者は科学的根拠よりも「私の感覚では、そうに違いない」の肯定を求めるのだ。
正確には高い治療効果への需要ではない、私はそう考えているのです。
実際、病院へ行っても出来ることが少なく、「不安の解消」が大きな意味を持つようなケースなのか、
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
「医師に代わってでも、誤った情報なら否定し説明する」という骨の折れる役割に責任を持つケースなのか。
その判断と対応力、知識とリテラシーこそを、代替医療者は持っていなければいけないのだが…
損な役回りでもいい。
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
リテラシーと説明力を高めて、現代医療の否定に呑み込まれず、根気よく対話する。無い頭で勉強もする。
「患者が現代医療以外を求めるから、古今東西から似非治療を見つけてきては導入する」←そんなのは優しさではない。意見や願望に呑み込まれ過ぎである。#代替医療
「自分の施術は何も治していない。慰めや不安の解消だろう。だけどそういう行為が人を楽にすることがあるんだろう」
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月15日
そういう自覚をしていながらも、健康や医療や医学に高いリテラシーを持っておく。私はそういうものでありたい。
「変なこと言わないリラクゼーション」であって「治療家」じゃない。
「病院が怖い」
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月16日
「現代医療以外の何かで良くなりたい」
そういう心理を見抜いた上で、質問を受け切り、不安をほぐし、必要なケースでは医療の大事を説得し、医療へ押し返す。
何でも引き受けるより大変な仕事だと思ってる。
それが代替医療です。https://t.co/2KsK9TOsMr
続きを読む施術を受ければ確かに痛みが和らいだり「楽になる」のに、『こういうモノでは治らない病がある。医療へかかりなさい、あなたの来る場所じゃない。』と言うような、仙人とかヨーダの様なスタンスでいたいし、「来てしまったのか。仕方がない…疲れるのう…」みたいな感じでいたい。欲は捨てたい(困難)
— 掌 tanagokoro@手の心 (@tanagokoro2) 2016年8月19日